こんにちは。
国道175号線沿いにあるゆるり整体整骨院の井上です。今日は、SLAP損傷:肩関節上方関節唇損傷についてお話ししたいと思います。
SLAP損傷とは
上方関節唇損傷(Superior Labrum Anterior to Posterior lesion)のことであり、野球やバレーボール、器械体操などのオーバーヘッドスポーツで好発すると言われています。
病態(どのような状態がSLAP損傷なのか)
肩関節の関節窩には上腕骨頭の安定化機構として関節唇という組織が存在しています。関節唇は繊維性の軟骨で構成されており、肩関節を前後、左右に脱臼しないように安定させてくれる組織です。
この関節唇の上方が何らかの原因で関節窩から剥がれたり、断裂したりしたものをSLAP損傷と言います。
症状
ボールを投げる時の痛み
腕をあげる時のクリック音(肩を動かすとコリコリ音がする)
肩関節の不安定感
肩関節の引っ掛かり など
好発する野球の投球動作ではボールをリリースする時に疼痛が出現することが多いと言われています。
SLAP損傷のタイプ分類
1985年にandrewsらが投球時における関節唇損傷を報告し、その後SnyderによりSLAP病変として名付けられ4タイプに分類された。
タイプ1 関節唇の病変のみで剥離のない状態
タイプ2 上方の関節唇が関節窩から剥離した状態 *もっとも発生頻度が多い
タイプ3 バケツ柄型の損傷 断裂した関節唇実質が転移し関節内に嵌頓する状態
タイプ4 バケツ柄に加え損傷が長頭腱に及んでいるもの
検査方法
徒手検査、エコー検査、MRI検査などを行い鑑別する方法が有効をされています。
中でもMRI検査が最も有効な手段とされていますが、費用や検査できる施設が限られていたり、検査に時間がかかったりしてしまいます。
徒手検査やエコー検査などは比較的容易に行えるため、徒手検査やエコー検査で陽性所見が見られる場合にMRIで正確に診断するという流れが一般的です。
徒手検査法の種類
Speed test
Anterior slide test
Crank test
SLAP aprehension test(水平内転テスト)
O’brien test
三森test
など
治療法
第一選択として徒手療法(可動域訓練)、ストレッチ、筋力トレーニングなどを行い、経過不良の場合
注射や手術療法を行う場合もあります。
投球障害全般に言えることですが、肩関節だけの機能改善では良好な経過を得ることが難しく、全身の機能改善を図り、肩関節にかかる負担を軽減させることが重要になります。
また投球フォームなどの見直しも必要になることもあります。
当院では専門性の高いスタッフが全身機能の改善を視野に入れ、競技への早期復帰を患者さんと共に目指し、日々背術を行なっております。
投球動作時に肩が痛い、コリっとした音がなる。腕をあげると肩関節に違和感があるなどの症状がある方はお気軽に当院へご相談ください。