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いつの間にかフレイル?

2023.08.20

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

鍼灸師、健康運動指導士の黒田です。

 

 

今回は、フレイルについてがテーマです。

 

人は誰でも高齢になると、筋肉を構成する筋繊維数が減少し、さらに筋繊維が萎縮してしまうことにより、筋肉量が低下します。
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20歳ころの筋肉量を基準に考えると、70歳くらいでは男女ともに30%の低下がみられることから、10年間でおよそ6%ずつ、低下していることになります。
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さらに、社会活動性や体力が低下したり、過去に病気やケガの経験があったりすると、活動性はさらに低下し、筋肉の萎縮を急速に進行させてしまうことがあります。
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骨での加齢による変化としては、加齢により骨吸収が増加するとともに、骨形成が減少することで、徐々に骨密度や骨量が低下し、場合によっては骨粗鬆症を発症します。
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人の骨量は、10歳代後半から20歳代に最大となります。そこから40歳代くらいまでは、骨量を維持できていますが、40歳代後半から50歳代くらいの間に減少し始めます。
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特に女性の場合、閉経の時期を境目として、骨量の減少が著しくなります。
うちエストロゲンと呼ばれるホルモンは骨形成を促進する働きがあるため、エストロゲンの分泌量が急激に減ることで、骨形成が骨吸収に追いつかなくなり、骨量の減少を招きます。
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関節での加齢による変化としては、関節軟骨の変形があります。
関節の軟骨が徐々にすり減ってくることで、関節の形や動きが変化する「変形性関節症」を起こしやすくなります。
⭐️
これにより、関節の痛みや、動きに制限がでることで、日常の活動性が低下し、さらに関節の動きを悪くします。
関節軟骨の変性や変形は、人によっては20歳代から始まり、60歳代以上になると、膝関節、股関節、肘関節や手指の関節の80%で認められるといわれています。

❤️

誰しも加齢によって筋力や体力の低下は起こりますが、筋力の低下に気づくのが遅くなればなるほど、日常生活への支障が出てくるリスクが高くなると思います。

 

 

🎵

それでは、今回のコンテンツは以下の内容となっております。

 

  1. フレイルになる原因
  2. フレイルの判定方法
  3. フレイルに対する運動療法

 

 

1.フレイルになる原因

フレイルは、英語圏では、frailty と呼ばれている。

齢に伴う、生理的予備の減少により、様々なストレスに対する脆弱性が亢進した状態(要介護の前段階)」

を示す用語で、2014年に日本老年医学会が提唱しました。

 

 

  • フレイルには、可逆性があり、適切な介入によって維持、改善を期待することができます。

 

 

  • フレイルには、

身体的、心理・精神的、社会的

といった、多面的な要素があります。

 

身体的フレイルは、ロコモティブシンドロームと類似した概念で、転倒、骨折、要介護、死亡などの有害健康転帰を招きやすい状態です。

また、サルコペニアは、この身体的フレイル/ロコモティブシンドロームの構成要素の1つという位置づけです。

 

☆ロコモティブシンドロームとは

2007年に日本整形外科学会により、移動能力の低下を示す用語として提唱されました。

要支援・要介護運動器(骨、関節、筋肉、神経)の障害であることから、ロコモは要介護の発生に関連するとされています。

 

 

☆サルコペニアとは

加齢に伴う骨格筋量の減少と、筋力低下/身体機能低下を兼ね備える場合に判定され、

サルコペニアも、転倒、骨折、要介護、死亡などの有害健康転帰を招きやすい状態であることが知られている。

 

  • フレイルの段階は

フレイル>プレフレイル(フレイル予備軍)>ロバスト(健常)

  とされています。

 

2.フレイルの判定方法

⚪︎J-CHS基準

国際的に広く用いられており、日本・サルコペニア学会が推奨している。

評価項目は以下の5つ。

①体重減少

②活動量減少

③活動低下

④握力低下

⑤歩行速度低下

 

表:改訂日本版フレイル基準(J-CHS基準)
項目 評価基準
体重減少 6か月で、2kg以上の(意図しない)体重減少
(基本チェックリスト#11)
筋力低下 握力:男性<28kg、女性<18kg
疲労感 (ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする
(基本チェックリスト#25)
歩行速度 通常歩行速度<1.0m/秒
身体活動 1.軽い運動・体操をしていますか?
2.定期的な運動・スポーツをしていますか?
上記の2つのいずれも「週に1回もしていない」と回答

※ 5つの評価基準のうち、

3項目以上に該当するものをフレイル(Frail)、

1項目または2項目に該当するものをプレフレイル(Prefrail)、

いずれも該当しないものを健常(Robust)とする。

 

(健康長寿ネット:フレイルの診断より)

 

 

⚪︎基本チェックリスト

厚生労働省作成

私が現在、運動指導と介護予防事業のお手伝いをさせていただいている市ではこのチェックリストを使用し、高齢者にリスクのある項目を自覚していただき、該当する項目があれば保健所のフレイル相談を利用してみるように促したりしています。

また、フレイル予防のための運動のアドバイスにも利用し、体操継続の動機づけにもしています。

 

3.フレイルに対する運動療法

 

フレイルの原因の1つには運動不足が挙げられます。

加齢や病気によって筋力が低下するのは自然なことですが、そのまま運動をせずにいると、筋力はさらに落ち、活動量も少なくなりがちです。

運動は筋肉量の減少や筋力低下を防ぐだけではなく、体力が落ちて疲れが抜けないことや食欲が減って体重が減少することを予防し改善するのにも効果的です。

また運動を行うことで、気分転換やストレス発散となり、精神的な安定を促すこともできます。

適切な運動を続けていれば、高齢者であっても筋力の回復を目指すことはできます。
適切な負荷の筋力トレーニングを継続することで、筋力増強の効果が得られるといわれています。

しかし、高齢者の場合は、筋組織が若年者に比べると傷つきやすく、

高強度の負荷を筋肉に与えて筋力トレーニングを行うと、病気や怪我、関節の痛みなどにつながるリスクがあります。
そのため、高齢者の筋力トレーニングでは、個人に合った負荷強度でトレーニングを行うことが大切です。

⭐️日常生活の中でも身体活動を増やす機会を見つけましょう。

わざわざ運動をするのが難しいときでも、日々の生活を工夫することによって無理なく体を動かす機会を作ることができます。

できそうなことから始めてみましょう。

 

厚生労働省では、「健康づくりのための身体活動基準2013」で定められた基準を達成するための実践の手立てとして「アクティブガイド」が示され、いつもより10分多く身体を動かそうという「プラス10運動」というメッセージで、わかりやすくまとめられています。

 

1日に40分ほどからだを動かす高齢者は、10〜15分ほどしかからだを動かさない人に比べて、関節痛や認知症になるリスクが20%も低いことがわかっています。

ポイントは、じっとしている時間をなるべく減らすこと。

座りっぱなし、横になりっぱなしでなく、家事や庭いじり、少しの外出などで+10することが大切です。

 

普段から元気にからだを動かすことで、糖尿病、心臓病、脳卒中、がん、足腰の痛み、うつ、認知症などになるリスクを下げることができます。

 

 

 

 

⭐️運動のポイント

フレイル予防のために行う運動の内容は、一般的に成人に推奨される、生活習慣病予防と同じですが、特に高齢者では、有酸素運動・筋力トレーニングに、バランス運動も加えたマルチコンポーネント運動複数の体力要素:全身持久力、筋力、バランス能力、柔軟性が効果的で、すべての高齢者に推奨されます。

基本的な運動プログラムとして、以下にご紹介させていただく、厚生労働省e-ヘルスネットの運動を参考にしてみては、いかがでしょうか。

 

 

より安全に、効果的に運動するには、以下の点に気をつけましょう。

①運動プログラムをおこなう前に注意すること

・体力レベルや普段の身体活動、疾病など、個々の状況に合った形で、徐々に進めていくことが重要です。

・普段運動しない人が急に運動する時は、心血管系の事故のリスクが高まっています。

久しぶりに運動する時は、ゆっくりと始め、徐々に強度を上げていきましょう。

・膝・腰等に痛みがある場合は、事前にかかりつけ医や運動指導者に相談して、安全に進めましょう。

・慢性疾患や慢性疼痛のある人でも、今より少しでも活動的になることは有意義なことです。 運動をおこなう上での注意点をかかりつけ医や運動指導者に確認し、安全に進めていきましょう。

・運動前後の血圧、体重測定や記録を習慣化するとよいでしょう。

 

 

②運動の中、または後に気をつけること。

運動の強度が足りなくなった場合は、有酸素運動であれば、時間を長くしましょう。

強度は徐々に上げていき、楽しく継続することが大切です。

規則正しく、バランスの取れた食事をとることも、身体づくりには必要です。

 

 

フレイル予防や、体力づくりなどのご相談は、当院のスタッフにおまかせください😀👍

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました☆

 

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