まずざっくりまとめると、パーキンソン病は、脳の中にある「ドーパミン」という物質が不足することで起こる神経の病気です。特に運動に関わる機能が障害されることが多いです。
主な特徴は、
手足が震える(振戦)
動きが遅くなる(動作緩慢)
体が固くなる(筋固縮)
バランスが悪くなる(姿勢反射障害)
などがあります。
原因はまだ完全には分かっていませんが、遺伝や環境要因(例えば農薬への曝露など)が関係していると考えられています。
治療については、
薬物療法(ドーパミンを補う薬が中心)
リハビリ(体の動きを保つための運動療法)
手術(脳深部刺激療法など)
が組み合わされることが多いです。
進行は人によってかなり個人差がありますが、早期発見・早期治療によって、できるだけ日常生活を維持できるようにサポートしていきます。
パーキンソン病におけるリハビリは、運動機能の低下をできるだけ遅らせ、日常生活の質(QOL)を維持・向上させるためにとても重要です。リハビリでは、主に以下のことを目的に行います。
パーキンソン病リハビリの目的
歩行障害やバランス低下の予防・改善
筋力低下や関節拘縮(かんせつこうしゅく)の予防
すくみ足(歩き出しの困難)や転倒リスクの軽減
姿勢の改善
呼吸機能の維持
日常生活動作(ADL)の自立支援
精神面(意欲やうつ症状)のサポート
具体的なリハビリ内容
1. 運動療法
ストレッチ(関節の可動域を広げる)
筋力トレーニング(特に下半身)
バランストレーニング
有酸素運動(ウォーキング、ダンス、サイクリングなど)
2. 歩行訓練
大きな歩幅を意識した歩行練習
リズム(メトロノーム、音楽)を使った歩行補助
すくみ足への対処訓練(線をまたぐイメージ、視覚的な刺激)
3. 姿勢訓練
背筋を伸ばす姿勢維持のトレーニング
重心移動の練習
4. 呼吸訓練
深呼吸や腹式呼吸による呼吸筋の強化
5. 作業療法(OT)
食事、着替え、入浴など日常生活動作の訓練
手先の細かい動作(ボタンかけ、箸を使う練習)
6. 言語療法(ST)
嚥下(えんげ)訓練(食べ物を飲み込む力を鍛える)
発声練習(声が小さくなる「小声症」への対応)
リハビリのポイント
無理なく毎日続けることが大事
モチベーション維持も重要(楽しいプログラムや目標設定)
家族や周囲のサポートも不可欠
医師や理学療法士と連携し、個別の状態にあったプログラムを作成します。